Shimano XC7(SH-XC701):高剛性ソールの高い伝達効率!勝手にスピードが上がるレーシングビンディングシューズ

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これまで僕はシマノCT5というスニーカー風のビンディングシューズを使ってきた。これがまぁなかなかカジュアルスタイルで普段着に合わせても違和感が少ないし、パッと自転車に乗ってちょっとそこまで行くのにはちょうどいい。

ただ最近は日々のトレーニング目的で自転車に乗ることが多くなってきた。一時間ほど死ぬ気でペダルを漕いでいると、ソール剛性が低いSPDシューズなおかげか足のクリートの真上がちょっと痛くなってくる。サイクルジャージとの組み合わせだと見た目もイマイチだし、もうちょっとちゃんとしたサイクルシューズが欲しくなってきてしまった…。

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Shimano XC7(SH-XC701)

そんなわけで僕がついつい買ってしまったのが、Shimano XC7(SH-XC701)。シマノのクロスカントリー用シューズ(XCシリーズ)の中では上から2番目のミドルグレードシューズ。

本当は価格的にもXC3がいいな~と考えていたのだが、XC3はナイロンソールで剛性が5、XC7はカーボンソールで剛性が9という違いがある。どうせならCT5(剛性2)より圧倒的に硬いソール剛性にすると何がどう変わるのかを体感したかったのでXC7を選んでみた。値段は高いけど…。日本国内ではワイドサイズのみの販売となるが、普段通りのサイズでちょうどよかった。気持ち足先が緩い気がするが締め付ければOK。

当初色は黒にしようと思っていたのだが、なんだかつま先に青色が見えるのがイマイチに思ったので赤を選んだ。プリントは非常にきれいだが、非常に自転車用シューズっぽいデザイン。

高剛性で高いフィット感のシンセティックレザーアッパー

XC7はシンセティックレザー製アッパーを2個のBOAダイアルで調整する。足の甲側と足首側が独立して締め付け具合を変えられるので、足先だけ緩くしても脚が抜けたりしない。BOAダイアルはL6というモデルで、締め付け方向だけ調整が出来て、引っ張ると一気にリリースされる。

フルリリースさせるとこれぐらい大きく開く。すぽっと足を入れてダイアルを締め付ければ簡単に履けるし、脱ぐ時は2つのBOAダイアルをリリースすればすぽっと脱げる。靴紐よりはるかにスピーディーでかつ楽に調整できる。フィット感は非常に良く、脚にしっかり馴染む。

足先のワイヤーは2通りのかけ方が出来る。やってみるとわかるが、写真左のかけ方のほうが足の甲がより締まり、しっかりと足にフィットする。右のかけ方だとスニーカーライクで足の甲に余裕ができる。かけ替えは割と簡単なので、普段はより締まるほうで使って、脚が疲れたら緩い方に変更、などの使いわけも可能。

個人的にイマイチに思ったのが真ん中のベロ。割と左右に振れる自由度があるのだが、ちょっと長いのかどの位置にしても微妙に足首の筋に擦るのが気になる。履くときに少し奥に押し込むとちょうどよくなるのだが、それでいいのだろうか?

カーボン&強化ナイロンソール+ミシュランラバーソール

XC7のソールはカーボンファイバー&強化ナイロンソール&プレートでガチガチに強化されている。そこに合わさるのがミシュラン製のラバーソールで、オフロードで使えるようにつま先・母指球・かかとにはごつごつしたソールが備わる。つま先にはスパイクも付けられる。僕はロードバイクで使うのでスパイクは不要だが、ソールは柔らかくグリップ感がかなり高い。

SPD専用シューズなのでクリートの取り付け穴は2つ。前後の調整幅はかなり広い。

靴底を剥がしてみると、強化ナイロンソールが格子状の凹凸を描いて剛性アップを図っていることが分かる。

ネジロック剤を使ってクリート(SM-SH51)を取り付けた写真がこれ。アウターソールからギリギリクリートが飛び出していないので、キレイな路面の上ならクリートが当たってカチカチいいずらい。アスファルトは意外とゴツゴツしているのでクリートが当たる。

シマノのロードバイク用SPDペダルPD-ES600との組み合わせもバッチリ。

クリートを付けた状態での重量は片足351g(42サイズ)。

スプロケを一段重くできる優れたパワー伝達

XC7を履いてロードバイクを漕いでみた。比較対象がCT5となってしまうが、とりあえず脱ぎ穿きがめちゃくちゃ楽なのが嬉しい。BOAダイヤルがワイヤーを巻き取ってくれるので、靴紐がチェーンに絡まってしまう心配は一切なし。これだけでもかなり安心感がある。

漕いでみてびっくりしたのだが、いつもより少しスピードが出ている。僕は今まで平地を巡航するときは31km/hぐらいが出て、あと一段ギアを重くするとちょっと辛いなと感じていたのだが、気づいたらその一段重いギアで走って34km/hが出ていた。試しにいつものスピードに落としてみたら、明らかに楽に走れた。そのまま軽い坂道に突入しても失速が少なく登っていく。これがパワー伝達効率の違い…。でも結局自分のパワーが無駄なくスピードに変換されているだけなので、全力で漕ぐと今まで以上に疲れる。

靴自体の重さはCT5もXC7もほとんど変わらないのに、不思議とハイケイデンスで漕ぐのも苦じゃなくなっていた。逆にローケイデンスでがっつりトルクを掛けて漕ぐと、ペダルからの反動が直で膝や太ももに来るので、慣れないと思ってたよりキツい。ここは高剛性ソールのデメリットかもしれない。僕みたいに坂道が苦手な人は修行になる。ちなみにソールが硬いためかCT5に比べれば点で踏んでいる感覚は少ないが、無いわけではない。

足と合皮製アッパーソールがしっかりと密着していることもあって、引き足をぐっと使っても靴が遅れてついてくることはない。アッパーソールもしっかりと剛性があるのでそこで力が逃げている感覚もないし、BOAダイヤルの細いワイヤーが足に食い込むということもない。ちなみにソールが硬いおかげか、クリートのリリースが簡単になった。

一つ気になるのは通気性。多数のパンチホールがアッパーに開けられているので通気性は十分にあるのし、風が通るのも実感できるのだが、それでもちょっと暑い。風が当たるが抜けていかないような感覚だ。この靴を履くときはスポーツ用の速乾性の高い靴下を使ったほうが無難。

独特の感覚ながら歩行も問題なし

SPDシューズの特徴である「歩行」についてだが、ソールがほぼほぼ変形しないので歩行感覚はかなり独特。ソールも拇指球とかかと部分にしかないので、二枚歯の下駄を履いているような感じがする。下駄と違ってミシュラン製のアウターソールが適度な柔らかさを持っているのでガツンとした衝撃は来ないが、つま先が上に持ち上がっているので若干のペンギン歩きな感じにもなる。

ただきれいな路面なら全く問題なく歩けるし、少し注意すればゴツゴツした場所でも普通に歩くことができる。これで長距離ランニングするのは勘弁願いたいが、トラブルが起きて自転車を押して歩かねばならないときや、旅行中に見どころに行くのに少し歩くぐらいであれば余裕でこなせる。自転車+徒歩の遊び方にも十二分に対応している。

より遠くへ速く行くためのレーシングシューズ

ここまで来ると「ロードバイクに使うならSPD-SLシューズにすればいいのに」と正直僕も思ったが、「でも歩くこともあるしな~」というゆる~い使い方にも対応したいので、XC7はかなりアリな選択だった。値段なりの価値は間違いなくある。

レーシングシューズゆえの代償はトレーニングで補うしかないが、単純にスピードアップしたのは嬉しいし、軽く走るのも今までより楽になった。競技志向の人はもちろんだが、僕のようなゆるポタ派にも意外と合ってる。同じスピードで走るなら、この靴のほうが断然楽なのだから。

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